『空蝉の廻(うつせみのめぐり)』ネタバレなし感想・レビュー

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本日は、Vita版乙女ゲーム『空蝉の廻(うつせみのめぐり)』のネタバレ無しの感想・レビューを書かせていただきます。

ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。

目次(クリックできます)

あらすじ

本土から遠く離れた孤島、冥島には死の国へ繋がる二つの門があった。
一つは人の守る灯巌門。
もう一つは鬼が守る湖巌門。
それぞれの門を守護しつつも、人と鬼は古の悲劇により互いに憎み合ってきた。
しかし、突如二つの門に異変が起きたことから、主人公は鬼たちのもとに出向くことになる。
鬼と深く関わることで明かされていく島の秘密と鬼の宿命。
そして、繋がり、絡み合っていく二人の心。 こうして、宿命と禁断に彩られた物語が紡がれる――。

引用:Amazon商品ページ「商品の説明」

空蝉の廻』のおすすめポイント

  • 鬼と人との恋愛が描かれた和風ダークファンタジー
  • ヤンデレキャラに会える!
  • 印象的なバッドエンドが多い
  • 軽くトラウマレベルのバッドエンドも
  • 時代設定的に、恋愛の進行度合いが早めで、いちゃいちゃシーンが大人っぽい♡
バドエンとヤンデレを愛する方におすすめ♪

全体感想

鬼と人との恋物語

鬼と人が憎しみ合っている島の中で、主人公(人)と攻略キャラ(鬼と人)が恋愛する様子が描かれた作品。

鬼の悪評を聞きながら人の村で育った主人公・鎮宮天音ちゃん。
ですが、天音ちゃんは鬼に対して、そこまで悪い感情を持っていませんでした。

天音ちゃんが鬼に対して礼儀正しく、優しく、誠実な態度で接するため、次第に攻略キャラの鬼に受け入れられていきます。

ヤンデレキャラとバッドエンドが印象に残る作品

この作品の感想として一番に挙げたいのは、バッドエンドが特に輝いているという点です!

ハッピーエンドももちろん素敵なのですが、バッドエンドの印象深さに比べると、記憶が薄れ気味。
そんなわけで、キャラ別感想ではバッドエンドに触れることが多くなっておりますが、ご承知おきください。

なぜ、こんなにバッドエンドばかり感想を書きたくなるのか。
攻略キャラの天音ちゃんを求める気持ちの強さが、ハッピーエンドよりもバッドエンドの方が顕著に表れているからなのかもしれません。

個人的にはハッピーエンドの方が好きなので、主人公に強い執着を見せつつも、攻略キャラには狂わないでいてほしいですが、「狂うほど愛されたい」という乙女心を満たしてくれる素敵な作品でした。

ほとんどの攻略キャラがエンドによってはヤンデレ化します!
ですので、「様々なタイプのヤンデレキャラに出会いたい♡」という、ヤンデレ好きさんにぴったりの作品だと思いました。

村人の態度に精神力が削られる

鬼と人は互いにいがみ合っているため、モブキャラの村人による天音ちゃんや攻略キャラへの態度に心が痛みました。
全体的に、鬼よりも人の方が恩を仇で返すようなシーンが多かったです。

村人の心の汚い部分ばかりが見えてしまい、「この村、住みたくないな」と思ってしまいました。
少し前までプレイしていた『あやかしごはん』の紅葉村の温かい村人たちとは大違いでした…。

最初は村人から尊敬や親しみの眼差しで見られていた天音ちゃんが、ルートによってはひどい扱いを受けるようになるのが辛かったです。
ちなみに、人が亡くなるシーンが多いので、苦手な方は注意が必要な作品です。

恋愛表現は大人っぽく、糖度高め

作品の雰囲気からして、「糖度高め」という表現が合っているのか、やや心配ではあるのですが…。
この表現がわかりやすい気がするので使わせていただきます。

いちゃいちゃシーンは、どの攻略キャラも大人っぽい内容で、恋愛の進行度合いはやや早めな印象でした♡
個人的には、時代設定的に自然な流れのように感じられて楽しめました♪

攻略キャラは大部分が鬼なので、恋愛の過程でイチャイチャする時に、鬼さんの角が刺さりそうで主人公がちょこっと心配になりました。

ミニゲームは、2週目以降は飛ばせる

主人公が鬼に妖魔を倒すための力を与える儀式があり、儀式の場面が出てくるたびにミニゲームで成功しなければなりません。
このミニゲームは、2週目以降は「成功」か「失敗」かを選べたので楽でした。

主人公・鎮宮 天音

灯巌門を祭る中心となる存在である祈女。
天音ちゃんの衣装が巫女っぽいので、巫女のような存在なのかと思っていましたが、そういうわけではなく、わりと自由に恋愛ができる立場でした。

文章のところに出てくる天音ちゃんのキャラ絵(どこかで聞いた気がするけど、何て呼ぶのか忘れてしまった…)は、表情の変化が控え目だったのですが、スチルではもう少し喜怒哀楽をはっきり出してくれていました。

天音ちゃんは祈女としての役目への責任感が強く、全体的に優しく淑やかな性格ですが、ルートによっては行動力を発揮します。

キャラ別感想

魂宮 魁  CV:谷山 紀章さん

湖巌門を守る鬼の長。
魁は人を憎んでいるため、天音ちゃんに対する当たりもきついです。

第一印象は、高圧的な物言いをする俺様キャラといった感じでしたが、このルートをプレイしているうちに、意外と素直で、物事に柔軟に対応できるキャラだということがわかってきました。
お互いに惹かれ合っていくにつれて、魁の表情が柔らかくなっていくのが良かったです!

2人の心の距離が近づいていくのを敏感に察知したのか、ある人物があからさまに邪魔するのが微笑ましかった。

魁はメイン攻略キャラだからなのか、ハッピーエンドが王道な感じでした。
いちゃいちゃシーンについては、他の攻略キャラの中には、その場の流れという印象を持ってしまうものもありましたが、魁はきちんと手順を踏んでいる感じがして好感が持てました!

個人的にグッときたのは狂乱エンド。
魁が狂っていると知りながらも、求められているのが嬉しくて離れられない天音ちゃんの気持ち、すごく共感できました。
冷酷非道な行いをするようになる魁ですが、天音ちゃんにだけは甘々に接してくれるのが萌えました♡

颯  CV:内田 雄馬さん

天才的な武術の才を持ち、妖魔討伐隊隊長を務めています。

颯はある事情から、常に感情を抑えて生きています。
そのため、一見冷たいようにも見えるのですが、実は優しい性格です。

きれいめな大人っぽいキャラなのに、颯のふとした態度に可愛さを感じてキュンとさせられました♡
討伐隊隊長としては凛とした態度で指示を出したりするのですが、天音ちゃんに話しかける時にはすごく甘い声音になって、それがすごく素敵でした♪
特別感、大事ですよね!

颯に冷たくされても、天音ちゃんがめげずにアタックするのが良かったです。
2人の距離が近づくのに、握り飯が重要なアイテムになってきます。
颯が懐に握り飯を入れるシーンがありますが、あのタンクトップ型着物(?)の懐に握り飯が収納できるのか、少々気になりました…。

颯はお友達の推しキャラだったので、攻略制限のないキャラの中で一番最後に持ってきたのですが、最後にしておいて良かった。
なぜなら、バッドエンドがどれも辛すぎる…。

あるバッドエンドでは、衝撃的なヤンデレ展開になるのですが、ちょっと…この方向性は私は萌えられないかもしれない…。
でも、途中までは良かったんですよ!? 途中までは萌えていたんですよ!


ネタバレになるので、これ以上は言えませんが、個人的には軽くトラウマになるくらいのレベルのバドエンでした。

結鶴  CV:田丸 篤志さん

魂宮家で下働きをしている少年。
結鶴は鬼たちから蔑まれているのですが、その理由が次第に明らかになってきます。

一見親しみやすい結鶴ですが、決して立ち入らせない心の領域があります。
どんなに蔑まれても、笑顔のまま相手の言うことを無視する様子が、痛々しく感じられることもありました。

キャラ絵からもわかるように可愛い感じで、小悪魔的に主人公を翻弄したりもします。
一方で、賢くて策士な一面もあります。

誰よりも愛情を欲しているキャラで、想いが通じあった後は、天音ちゃんの愛情を確かめようとしたり、結鶴が甘えてきたりして可愛かったです♪

相良 泰臣  CV:興津 和幸さん

天音ちゃんの従者であり、幼い頃からそばにいる存在です。

泰臣は、長い間、天音ちゃんへの想いを秘め続けているのですが、主従関係であるが故に、彼女に想いを告げられず、触れたくても我慢しなければ、といった泰臣の葛藤が良かったです♡

主人公を意識しすぎて悶々としているのが可愛かった~♪
こういうキャラって、「いつタガが外れるのかしら」とワクワクしちゃいます。

主従関係であるが故に、天音ちゃんの方から行動を起こさないと恋愛関係が進んでいかない感じだったのですが、そこは天音ちゃんが頑張ってくれました。

泰臣は過保護なくらい天音ちゃんに対して優しくしてくれて、「こんな風に尽くされたり、甘やかされてみたい!」という感じでした。

絶対的な味方である泰臣の存在は大きくて、自ルートではもちろんのこと、どんな時でも天音ちゃんに忠義を尽くす泰臣の言動には、他のキャラのルートでも涙させられました。

狂乱エンドがかなり凄惨なのですが、メリバ好きさんにはたまらないかもしれません。
他のキャラと違って、狂乱エンドでも、泰臣は天音ちゃんを傷つけるようなことがなくて、その点が良かったです!

柊 知影  CV:立花 慎之介さん

魁の右腕のような存在で、長年の付き合いから魁の信頼も厚いキャラです。

穏やかな笑顔の裏で、何かを企んでいる様子の知影。
他のキャラのルートでも大活躍の知影でしたが、他のキャラをすべて攻略した後、このルートでやっと知影の目的が明らかになっていきます。

知影のやっていることはかなり酷いことなんですが、天音ちゃんがそれを意外とあっさりと受け止めてしまうのは、やはり「恋は盲目」ということなんでしょうか。

でも、知影は一生をかけて果たしたい目的のために手段を選ばないところはあるものの、それ以外では優しくて穏やかな性格です。
そんな知影と、彼の苦しみを分けてほしいと身体を張る天音ちゃんの心の距離が近づいていく過程では、とても穏やかな時間が流れていました。
幸せな時間なのですが、終わりがあることがわかっているからこそ、見ているのが切なくて。

他の攻略キャラはバッドエンドの方が印象に残りましたが、知影ルートはハッピーエンドがすごく良かったです!!
両想いなのに2人で生きていくこと以上に大切なことがあって、本当に切なかった。
ラストでは感動のあまりウルッときました。
このゲームの締めくくりが知影で良かった!

『空蝉の廻』がプレイできるハードは?

公式サイトMy Nintendo Storeを参考にすると、『空蝉の廻』がプレイできるハードは下記のようになっているようです。

  • PlayStation®Vita
  • Nintendo Switch(ダウンロード版のみ)

Nintendo Switchに関しては、My Nintendo Storeでダウンロード版のみが販売されています(参考:Matatabi開発ブログ)。

Switch版に追加要素はある?

My Nintendo Storeの商品説明とMatatabi開発ブログを読む限りでは、Switch版の移植にあたり追加要素は無さそうです。

別件にはなりますが、Switch版への移植にあたり、キャスト変更はあったようですので、次の項目をご確認ください。

非攻略キャラ・紫月丸のキャスト変更について

非攻略キャラではあるものの、攻略したくなるほどのイケメン・紫月丸の声優さんが変更となっています(参考:My Nintendo Store公式サイト)。
紫月丸のキャラクター紹介はこちらをご覧ください。

どちらの声優さんが演じられる紫月丸に会いたいかで、Vita版とSwitch版のどちらを購入するか変わってくる方もいらっしゃるかもしれませんね。

Vita版
Switch版
  • 遊佐 浩二さん
  • 河田 吉正さん

本日は、『空蝉の廻(うつせみのめぐり)』の感想にお付き合いくださり、ありがとうございました!

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