『オランピアソワレ(オラソワ)』ネタバレなし感想・レビュー

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本日は、『オランピアソワレ(略称:オラソワ)』のネタバレ無しの感想・レビューを書かせていただきます。

ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。

目次(クリックできます)

あらすじ

【白】の少女が舞うと夜が遠離る。

自らを「オランピア」と名乗り、
人形のように微笑むこともなく、
人形のように舞い續ける彼女を
人々は敬い、恐れていた。

命よりも色を重んじる天供島で、
彼女はたった一人しか存在しない色を持つ。

稀少な【白】を途絶えさせないために
ここで18歳を迎えた彼女は交配相手を捜さねばならない。

『天女島で産まれた貴女は特別なのです』
『この島のどんな色の男でも自由に選ぶことができます』

過去の出来事から外界との交流を拒んでいた彼女は
亡き母の言葉を信じて一歩を踏み出す。

本当の自分を愛してくれる者を見つけるために。
自分が求める魂の半身と出逢うために───
(引用:公式サイト

おすすめポイント

  • 特殊な階級制度のある世界での恋愛ストーリー
  • 日本神話モチーフのファンタジー
  • 交配がキーワード、色っぽい展開
  • 朱砂がズルい
独創的な世界観で面白い♪

全体感想

色層という厳しい階級制度

ストーリーとしては、天供島で唯一の【白】の一族である主人公・オランピアちゃんが、その血を絶やさないようにするために夫探しをするというもの。

天供島には色層という厳しい階級制度があり、オランピアちゃんの例を除けば、【赤】【黄】【青】が最も位が高く、【紫】や【緑】はその下の位となります。
そして、交配にあたってもこの色層が深く関わってきており、定められた色層以外の相手と結ばれると最悪処刑されてしまったりします。

ただし、オランピアちゃんに関しては、「この島のどの色の男でも自由に選ぶことができる」とされています。

天供島に住む人々は色層にとらわれすぎて、色層下位の人への差別や偏見などもひどいですし、色層を越えて愛し合った人を処刑するということも日常的に行われています。
そんな歪だったり汚い部分は見ていて辛いところでもありましたが、綺麗なものだけでできているお話ではないところも、この作品の魅力だったと思います。

こういった設定が恋愛における障害ともなってきますし、また、恋愛要素を抜きにしても純粋にストーリーが面白くて目が離せませんでした!
世界観や設定、ストーリー展開すべてがすごく面白くて、「こんなお話を考えられる方ってすごい!!」と感激しました。

『交配』がキーワード、肌色シーン多め

プレイしていると、どのルートでも恋愛する上での障害が立ちはだかります。
だからこそ、ドキドキ、ハラハラさせられたのですが、一方で、わりと恋愛の進行が早いとも感じました。

それはお互いに『魂の半身』と呼ばれる特別な対の存在だからなのかなと思います。
この作品は『交配』がキーワードとなっていることもあり、肌色なシーンがわりと多めでした♡
そういうシーンを含めて、スチルがどれも美しくてうっとりしました。

悪役キャラ、サブキャラについて

各ルートで悪役と言えるような存在がいたと思うのですが、ルートによっては、もう少し懲らしめて欲しいというか、状況をどうにかして欲しいと感じ、少しだけモヤッとした部分もありました。

ただ、そういうキャラが悪事を働くのは、自分の大切な人のためだったり、歪んだ愛情のためだったり、その境遇や事情に同情できたりするんですよね。
なので、憎み切れないというか。
まぁ、全く共感できないキャラもいましたが…。

悪役以外にも魅力的なサブキャラ、モブキャラが沢山登場します。
私は特に、ほんわかした気持ちにさせてくれる扶桑さんが好きだったのですが、ボイスのみでしたので、お顔有りでもっと登場させて欲しいと思ってしまいました。

正統派なバッドエンド

バドエンに関しては、気が重くなったり嫌な気持ちになるような正統派なバドエンが多かった気がします。
ちなみに、バドエンも色っぽい系が多かったような…。

もちろん、バドエンだから仕方ないんですが、個人的にはバドエンに関わるキャラからの愛の感じられるものが多いと嬉しかったな。

最初の方に攻略したキャラのバドエンに「うっ…」となったので、それ以降はバドエンから先に回収することにしましたが、それが正解だったように思います。

日本神話がモチーフとなっている

このオラソワは、ストーリーを進めていくと、特に後半で日本神話に関連した部分増えてくるのですが、そこもまた良かったです♪

ずっと昔に、日本神話のイザナミの話を読んだ時には、私もイザナギに反感を覚えたので、イザナミの感情に女性視点で光を当てたところなどは面白いと思いました。

主人公・オランピア

【白】の女たちが住む天女島で生まれましたが、現在は天供島に住むオランピアちゃん。

過去のある出来事から、太陽を輝かせるための舞をする時以外は屋敷に引きこもって生きてきました。
しかし、18歳の誕生日をきっかけに夫探しをするために外出することが増え、天供島の現状を知り、人々の考えやしきたりに疑問を持つようになります。

オランピアちゃんは、希少な【白】なので、とにかく交配により子を産むことが役目とされていて、本人もその重要性を理解しています。
作中では多くの人に「早く子供を産め」と言われるので、すごいプレッシャーだなと思いました。

ただし、その点以外では天供島で一番恵まれている女性だと思います。
色層のトップですし、オランピアちゃんだけが夫を自由に選ぶことができますし。
オランピアちゃんと比べると、他の女性たちがあまりに不幸すぎるんですよ…。

オランピアちゃんは素直すぎて、時には向こう見ずな言動をしてしまうこともありますが、そんなオランピアちゃんの言葉で救われる人もいて。
しきたりで雁字搦めになっている天供島の人々(攻略キャラを含む)にとって、余所者でもあるオランピアちゃんのフラットな視点は新鮮に感じるようでした。

キャラ別感想

天草四郎時貞  CV:上村祐翔さん

天供島に漂着したマレビト。
この島にいる他のマレビトは、島において何らかの偉業を成し遂げた人ばかりなんです。
なので、周囲からは時貞にもそのようなことを期待されているのですが…。

時貞は自分の成すべきことを見出だせなくて、悩んでいる時期が長かったです。
他の攻略キャラがわりと頼りがいのある男性が多かったので、時貞の年下感が際立っていたように思います。
目が離せない、ちょっと危なっかしい子という感じ。

最初は、ただただ無邪気で可愛い年下!という感じでしたが、ふとした時に毅然とした話し方をしたり、ハッとするようなカッコいいシーンもあったりして、ギャップ萌えでした♡
最後の方では、男らしさ、凛々しさ、頼り甲斐がアップしていたものの、全体を通して、オランピアちゃんの姉さん女房感が出てたような気がします。

オランピアちゃんのことを「おねーさん」と呼ぶ声が印象的でした!

璃空  CV:島﨑信長さん

軍に所属しており、次期【青】の長とされています。
これまでしきたりに疑問を持たず、それを遵守して生きてきましたが、オランピアちゃんに出会ったことで変わっていきます。

璃空は真面目で融通が効かない性格ということもあり、最初のうちはオランピアちゃんを悲しませたりすることもあるのですが、その後の璃空の対応により印象が悪くなったりはしませんでした!

性格が誠実で真っ直ぐで潔くて…こういうキャラ、見ていて気持ちいいですね。
璃空は【青】なので、恋愛するにも色層的には障害はないと思いきや、別の障害が…。

璃空は照れ屋というか奥手というか、自身を自制しているところがあり、据え膳を食わないタイプなのですが、そんな時にオランピアちゃんがグイグイいくところが良かったです♪
最初は女の子にリードされるけど、その後は…みたいな展開、大好物です♡

オランピアちゃんへの好意を本人に伝える場面は少ないのに、他の人に向かってはオランピアちゃんへの気持ちがこもった発言をわりとするところが印象に残りました。

璃空は不器用で可愛い部分がありつつも、グッとくるセリフもあって素敵でした♡
攻略キャラの中では最も島のしきたりに従っていた人だったので、方向転換するのは葛藤もあったと思いますが、一旦進む道を定めてしまえば、堂々としていてカッコいいキャラでした♪

  CV:内田雄馬さん

縁の読み方、「えにし」じゃなくて、「よすが」です!
剣が君の影響が強くて、正しい名前の読み方が定着するまで時間がかかりました。
フォロワーさんでも同じことをおっしゃっていた方がいらっしゃいましたね。

立ち絵からして、縁はプレイしていて一番ダメージを食らいそうな気がして警戒していたのですが、個人的には意外なストーリー展開でした。

縁って、見るからにめちゃくちゃ危険な香りがしませんか?
実際、艶のあるセリフが多くてドキドキしましたし、勝手に肌色シーンへの心構えをバッチリにして臨みました!
でも、色っぽい方向にどんどん行くのかと思いきや、縁は意外と純粋で優しくてオランピアちゃんの意思を尊重してくれる人で、好感度が高かったです♪

縁ルートも、様々な事情や思惑が絡んできて、オランピアちゃんと結ばれるには障害が多くて、ストーリーがすごく面白かったです!
真相、そして、その決着については多少モヤモヤしてしまいましたが…。

縁は辛い過去がありながらも、みんなが幸せになれるよう、自分が置かれた場所で精一杯できることをしようとしていて、本当に魅力的な人でした。
これまで一人で進んで汚れ役を買って出て生きてきた縁でしたが、そんな縁を理解し支えてくれるオランピアちゃんに出会えて良かったと思えるストーリーでした♪

玄葉  CV:杉田智和さん

「コトワリ」と呼ばれる中立機関の副所長で、医師でもあります。

玄葉は、色層としては最下層の【黒】です。
周囲からひどい差別を受けながらも、実力で今のコトワリでの地位まで上り詰めた努力家。
まさに大人の男性って感じのハスキーボイスで、意外とロマンチストなのが印象に残りました♪

玄葉は常に明るいのですが、自分が【黒】であることへのマイナスの感情をかなり強く内に秘めています。
また、【白】のオランピアちゃんが、【黒】と結ばれることへの周囲の反発もすごくて。

そんな中、順調に距離を縮めていると思われた2人でしたが、突然の玄葉が態度を変えてきて、オランピアちゃんは戸惑います。
その態度の急変ぶりに、見ているこっちも「えっ?」と思いました。

玄葉ルートは、一瞬バドエンに入ったのかと思う展開があって衝撃的でした!
私の好きな三角関係っぽいシーンもありましたが、もう一方が全く興味の持てないキャラだったので、そこではイマイチ萌えなかったのですが、でも、嫉妬する玄葉はすごく良かった♡

ヒムカ  CV:堀江 瞬さん

拔(ばつ)と呼ばれる人間の魂を晶に変える力を持ち、「弔い屋」をやっています。

ヒムカは、謎の多い言動があったりして、神秘的な存在でした。
人と接することに慣れていなかったり、色々と不器用なところもあったりしつつも、純粋で透明感のあるキャラだと思いました。

ヒムカは自分を卑下しすぎるところがあったり、オランピアちゃんに別の誰かの影を見ているようだったりするのですが、その原因が次第に明らかになっていきます。
それとともに、この世界に関する謎が明らかになっていくので、ストーリーが壮大でとても面白かったです!

このルートでは感動的なシーンがあって、ウルっときました。
ヒムカのこれまでの生き方を見ていると、幸せになって欲しいと強く願ってしまいます。

朱砂  CV:松岡禎丞さん

中立機関「コトワリ」の所長。
常に冷静沈着なことから「鉄仮面」と呼ばれていますが、この島の現状を変えたいという熱い想いを持つとともに、オランピアちゃんの心身が脅かされないよう気を配ってくれる優しい面もあります。

朱砂に「夫となる者を見つけられなかったら、責任を取って貴女の夫を務める」と最初に言われてから、オランピアちゃんの彼に対するイメージが低下したので、マイナスからのスタートでした。

朱砂はね、ズルイんですよ!!
だって、他のキャラのルートでも、カッコイイシーンがありますし。
自ルートに入る前から私の好感度上がってますもん!
メイン攻略キャラ、恐ろしい…。

私、これまでの経験上、メインキャラに惹かれることが少ない気がするのですが、朱砂は文句無しに格好良かったです♪
おまけに、CV:松岡禎丞さんですし、肌色なシーンでちょっと声がかすれがちになるところとか、すごくセクシーで心を撃ち抜かれました♡

朱砂は、色層的にも仕事上の地位的にも高い位置にいるのに俺様というわけでもなく、穏やかで優しくて、でもオランピアちゃんを効率的に絡め取っていく策略家っぽいところがたまらない!
朱砂に反発しているオランピアちゃんを惚れさせちゃうというテクがすごいですよね。

このルートではオランピアちゃんが素直じゃなくて、ちょっと偉そうな物言いをするところが可愛かったです。
そんな素直じゃないところも包み込んでしまうような朱砂が素敵でした♡

朱砂がぐいぐい距離を詰めていくので、恐ろしくスムーズに関係を深めていった感じ。
でも、この2人の恋愛においても障害が…。
すごく大きな障害ではあるものの、朱砂がめちゃくちゃ頼りがいがあるので、不思議と安心して見ていられました。

朱砂のハピエン、良かったです♡
こんな風に愛されたい!と思うシーンを見せてもらえて、満足してこの作品を終えられた気がします。

本日は、『オランピアソワレ』の感想にお付き合いくださいまして、ありがとうございました!

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