本日は、『even if TEMPEST(イーブンイフテンペスト) 連なるときの暁(略称:テン魔女FD)』のネタバレ無しの感想・レビューを書かせていただきます。
ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。
あらすじ
愛も命も焼べて、辿りついた〝結末〟
『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』のファンディスク。
己の身を捧げ、殺し、殺され、ときには大切な人すら犠牲にして、辿りついた最善の結末。
死を繰り返した少女の〝生〟の物語が、今始まる。【本作で描かれる3つの物語】
■Love Stories
本作のメインとなる物語。
晴れて恋仲になった二人のその後を描く。
ルーシェン、クライオス、ティレル、ゼン…それぞれとの愛にあふれた時間の中で、新たに待ち受けるものとは――?■The Fellowship
『決別の回顧録Ⅳ』の直後から分岐した5人の絆の物語。
主人公・アナスタシアが特定の誰かを選ぶことなく展開するifストーリー。
「ゼンにかけられた呪いを解きたい」
アナスタシアの発案から、5人は『日輪と夜想の交国・リホー』へと旅立つ。■Side Stories
引用:My Nintendo Store 商品ページ
マヤ、エヴェリーナ、コンラッド、イシュ。
彼は、彼女は、何を願い、何を信じたのか。
本編では語られなかったサブキャラクターたちの思いをADVやSS形式で描く。
テン魔女FDのおすすめポイント
全体感想
ファンディスクは本編より糖度大幅アップ♡
本編はストーリーがとても面白かったため不満はなかったものの、個人的には「もっと甘い展開が見たい!」と思っていました。
このFDは、そんな願望に答えてくれる糖度大満足の内容でした!
X(旧Twitter)の公式アカウントに載っているイラストを見るだけでも、糖度の高さが伺えるかと思います。
Love Storiesでは、攻略キャラによっては、序盤からかなり糖度が高い!
大人な恋をしているので、そこでグッと惹き付けられました♡
本編では、二人が結ばれるまでの間に、アナスタシアちゃんは何度も何度も痛く苦しい思いをしてきています。
なので、彼女がめいっぱい愛されて幸せになる姿を見られて、とても嬉しかったです♪
また、The Fellowshipでは逆ハーっぽい感じで、男性キャラたちに取り合われているようなシーンも見られました。
わりと甘めなシーンも描かれている作品ですが、恋人同士になったからこその苦悩や、新たに発生した問題に奔走する様子なども描かれていて、適度に緊張感のあるストーリーだったと思います。
主人公のアナスタシアちゃんがこのFDでも魅力的
本編である『even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女』の感想でも書かせていただきましたが、この作品に強く惹かれた理由の一つは、主人公のアナスタシアちゃんが魅力的なことでした。
アナスタシアちゃんは、人を信じやすくて危なっかしいところもありますが、努力家で芯のしっかりした子で、とても好感度が高いんです。
本編ほど過酷ではありませんが、このファンディスクでも、アナスタシアちゃんや攻略キャラが危機的な状況に陥ったり、追い詰められたりすることがありました。
そんな状況で、アナスタシアちゃんは攻略キャラとともに戦ったり問題の解決に奔走していて。
守られる女の子ではなく、彼らと肩を並べて歩いて行ける女の子として描かれていました。
アナスタシアちゃんが攻略キャラたちに溺愛されていたり、いちゃいちゃしている様子も見られるものの、やっぱりアナスタシアちゃんの本質は変わっていなくて。
恋をすることで、女性らしく可愛らしく変化したアナスタシアちゃんも見られて楽しかったです♪
『死に戻り』の影響が大きい
アナスタシアちゃんは『死に戻り』をしているため、今の人生だけではないんです。
今はある男性キャラと恋愛していたとしても、過去の別の人生では、他の男性といい雰囲気になっていたこともあったり。
そのことに薄々勘づいているキャラもいれば、その事実をしっかりと知っているキャラもいて。
「アナスタシアちゃんが他の男性と結ばれて、その2人が幸せになる未来もあった」という可能性を受け止めなければならない。
これは、攻略キャラにとっては、なんとも言えない複雑な気持ちだと思います。
そういう事情から、ある攻略キャラが他の攻略キャラと自分を比較して、不安になったり罪悪感のようなものを感じたりするシーンが印象的でした。
また、アナスタシアちゃんも、『死に戻り』の時に経験した後悔や辛い思いを二度としたくない、という思いにとらわれていることも。
それが攻略キャラと恋愛する上で障害になっていたりしました。
本編で謎のまま終わった部分が描かれている
本編をプレイした時に残っていた疑問や謎が明らかになり、個人的にはスッキリした気持ちで終えることができました。
特に、ヒストリカの国の成り立ちと、継母であるエヴェリーナがなぜアナスタシアちゃんにあんなに辛くあたっていたのかを知ることができて良かった!
また、イシュのこれまでを描いたストーリーがとても面白く、イシュへの思い入れがさらに強くなりました。
コンラッドのストーリーは、とにかく彼らしい刺激的な内容となっていて…殴りたくなる気持ちを抑えつつ読みました(笑)
FDをプレイして、テン魔女という作品がしっかり完結した感じがしました。
プレイ時間
作品のプレイ時間は、Switch本体のプレイ記録では『25時間以上』となっていました。
私の場合、のんびりプレイしており、気になったシーンを見直していた時間も含まれています。
乙女ゲームとしては控えめなボリュームという印象でしたが、そのおかげで、中だるみせず、集中力が切れずにプレイできて良かったです。
キャラ別感想
クライオス・キャソロック CV:古川慎さん
序盤から糖度の高さにびっくりしました!
でも、ラブラブではあるものの、2人の間には時折、違和感やしっくりこないものがあるようで。
アナスタシアちゃんは『死に戻り』の時のある出来事がトラウマになっていて、一方のクライオスもそんなアナスタシアちゃんとの関係性に悩んでいます。
そのわだかまりを解消して、2人が関係性をより深めていくまでを描いたストーリーとなっていました。
クライオスは笑顔の裏で策略家な一面もありつつ、大人の色気と余裕があるキャラ。
いちゃいちゃなシーンでは、色気がすごかったです…!
アナスタシアちゃんは、クライオスに溺愛されながら、彼の手のひらの上で転がされている印象がありました。
ですが、2人で敵と戦うシーンに象徴されるように、アナスタシアちゃんはクライオスに守られる存在ではないんですよね。
クライオスの甘やかし加減が絶妙で、アナスタシアちゃんが女性らしく花開いたなぁという印象を受けたルートでした。
ゼン・ソルフィールド CV:武内駿輔さん
このルートでは、ゼンとアナスタシアちゃんが2人で幸せに暮らしているところからストーリーが始まります。
でも、ゼンは何かに悩んでいたり、焦ったりしているようで…。
両想いで幸せなものの、小さな不安感を感じる巧妙なストーリー展開で、はやる気持ちを抑えつつプレイしました。
ゼンは、他の攻略キャラとは違った存在で、アナスタシアちゃんの『死に戻り』を把握しているため、特に恋愛に関しては一番しんどいんじゃないかな…。
クライオスやティレル、ルーシェンのことを友人として大事に思っているからこそ、罪悪感を感じたり、悩んでしまうのは仕方ないことだと思いました。
いつも冷静で頼りがいがあって、低音ボイスが魅力的なゼン。
作中では、わりといちゃいちゃシーンが多かったかも。
そういうシーンでは、ゼンの意外な癖が明らかになったりして。
このルートは、世界を飛び越えた壮大なストーリーとなっていました。
ゼンがこれまで辛い思いをしてきた分、ハッピーエンドは感慨深かったです。
途中にはマヤやクライオスたちとの心温まるやりとりが描かれていて、グッときました。
ティレル・I・リスター CV:杉山紀彰さん
このルートでは、アナスタシアちゃんがティレルの自分への気持ちが分からなくて、不安な気持ちを抱いている状況から物語が始まります。
本編では、ティレルはドSというのか、ツンツンしているというのか…。
ただ口が悪いだけのような気もしますが、個人的にはちょっととっつきにくい印象でした。
でも、FDでは弱い部分や可愛い部分も見せてくれるので、本編よりずっと私好みで萌えました♡
ティレルがたまに弱気になったり、マイナス思考になったりする時に、引っ張りあげてくれるアナスタシアちゃんの存在がとても眩しかった!
このルートは、本編の内容が思い起こされるような、緊張感のあるストーリー展開となっていました。
ティレルの有能さが際立つシーンが多くて、改めてティレルに惚れ直しました♡
いちゃいちゃシーンでは、ティレルは強引なようでいて、強引じゃない、アナスタシアちゃんの気持ちをちゃんと尊重してくれる絶妙な塩梅♡
ベタベタしすぎない、くすぐったい感じの甘さで、ニヤニヤしてしまいました!
ルーシェン・ノイシュバーン CV:石川界人さん
ルーシェンは常に正義を貫く人で、誰も傷つけず偽らず、とても眩しい存在。
私からしたら、アナスタシアちゃんも、ルーシェンと同じような種類の人間だと思うのです。
ですが、『死に戻り』をする中で、アナスタシアちゃんが手を汚さなければ成し遂げられないこともありました。
ルーシェンのそばにいると、『死に戻り』の経験がアナスタシアちゃんの心に影を落とすことも。
このルートでは、コンラッドとの王位継承争いについて描かれていました。
好青年だけど、ちょっと頼りない。
ルーシェンのそんなイメージを払拭するようなストーリーだったと思います。
可愛いルーシェンと、カッコいいアナスタシアちゃん。
そんな2人の純愛が描かれていて、とても微笑ましかったです♪
このルートで、改めてルーシェンの近くにはろくな人間がいなかったことが判明。
こんな環境でよくルーシェンのような真っすぐな人間が育ったなぁ…。
本日は、『even if TEMPEST 連なるときの暁』の感想にお付き合いくださり、ありがとうございました!
お気軽にコメントください!