本日は、PC版『絶対階級学園』のネタバレなし感想・レビューを書かせていただきます。
ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。
あらすじ
東京湾を囲む「リングエリア」内の貧民地区に暮らす主人公・藤枝ネリ。
慎ましくも穏やかな日々を送っていたが、ある日突然、たったひとりの家族である父が失踪してしまう。「櫂宮学園へ行きなさい」
──謎の手紙を残して。私立櫂宮学園。特権階級に属する良家の子女のみを集め、未来の日本を担うエリートの育成を目的として創設された全寮制の名門校。
ネリは父の置き手紙に従い、セレブが集まる櫂宮学園に転入することになった。
しかし、そこはとてつもなく豪奢だが、絶対的階級制度に基づく「身分差別」に支配された学園だった。階級制度の頂点で学生を統治し、あらゆる権力を有する「女王」
全てにおいて優位に立つ、選ばれたエリートたちが属する特権階級「咲き誇る薔薇」
最も多くの生徒が所属する平民階級「名もなきミツバチ」
同じ生徒でありながら、使用人同然に虐げられ使役される奴隷階級「捨て置かれた石ころ」
そして、絶対的制度に抵抗する生徒で組織された反体制グループ「レジスタンス」想像を絶する格差社会の中でネリが出逢う「恋」、次第に浮かび上がる学園の「真実」とは──!?
引用:公式サイト
おすすめポイント
全体感想
階級制度の酷さ
父と二人で貧民地区に暮らしていた主人公・ネリちゃんは、突然失踪した父の置き手紙に従って、全寮制の私立櫂宮学園に転入することとなります。
セレブが通う櫂宮学園には、露骨なランクづけをすることで生徒を奮起させ、未来のエリートを育成することを目的として、厳格な階級制度がありました。
階級の高い順に、『薔薇』、『ミツバチ』、「石ころ』という階級があり、階級のトップには素顔を隠した女王の存在があります。
プレイする前には、この階級について、そこまで深刻なものと捉えていなかったのですが、これが予想以上に酷かった!!
石ころ階級なんか奴隷のような扱いで、人権も何もあったもんじゃありません。
しかも、教員も一緒になって石ころ階級を虐げるという…。
「ここ、高校だよね? 教育の場だよね?」と、めちゃくちゃ違和感がありました。
バッドエンドから先に回収することをおすすめしたい
ネリちゃんは、転入当初はミツバチ階級に入ります。
話を進めていくと、そこから別の階級に移動させられたりするのですが、それによって周囲の人々のネリちゃんへの接し方が大きく変わって、心が抉られます。
ネリちゃん自身も、階級移動によって考え方や性格が変わっていったりするのですが、虚栄心とか弱さとかが原因でバドエンに繋がっていったりして…。
でも、そういう人間臭いところって誰しもが持っている部分だからこそリアルで、ぞわぞわするような怖さを感じました。
バドエンでは、よくぞここまで多様で陰惨な展開を思い付くものだと感心してしまうほど精神をゴリゴリと削ってくるものが多くて。
言い換えれば、バドエンのシナリオが秀逸ということかもしれません。
そんなわけで、
この作品をプレイする際には、「ハピエンよりも先にバドエンから回収すること」をおすすめしたい!
なぜなら、バドエン(特に薔薇ルート)が後味悪すぎて、しかも印象に残りすぎて、もしもハピエンを先に見た場合、幸せな記憶が上書きされてしまってもったいないからです。
この学園、何かがおかしい…
バドエンがあまりに印象的だったので、バドエンから触れてしまいましたが、全体的にストーリー展開がとても面白い作品でした♪
各攻略キャラのルートに、パズルのピースのように謎や違和感が散りばめられていて、プレイしているうちに、「この学園、なんかおかしいぞ」と思い始めます。
1周目では、ネリちゃんと男性キャラの敵は階級制度という感じで、それと闘ったり折り合いを付けたりしながら、学園生活を楽しみつつ仲を深めていくといった感じです。
その後、真相ルートに入ると、ガラリと雰囲気が変わり、今まで感じていた学園への違和感・不信感が一気に表面化してきて、ミステリーやサスペンスっぽい要素が濃くなります。
これまでネリちゃんや攻略キャラにとって強い影響を与えてきた階級制度が些末なことに思えてきますし、そもそも学園生活を送るどころではなくなるという、驚くような展開を迎えます。
真相ルートは、あるキャラ以外は話の大筋は同じで、それぞれの出来事を各攻略キャラの視点から見ているという感じ。
同じような展開・シーンが含まれていたので、そこはスキップしたかったですが、できなかったのがちょっと残念でした。
順番的に真相ルートが最後になるので、どの真相ルートでも必ず登場する変態チックなキャラの印象がプレイ後も強く残りました。
階級制度にどっぷり浸かっているキャラとの恋愛が楽しい
恋愛に関しては、階級制度が障害となることが多く、わりとショッキングな問題が発生したりするので、ハラハラさせられました。
学園の大部分の生徒が当然だと思って受け入れてきた学園のルール。
攻略キャラたちは、ネリちゃんと接するうちに、これまで自分が信じてきたものが本当に正しいのか、これから自分はどうしたいか葛藤します。
階級制度にどっぷり浸かっている男性キャラほど劇的な展開が待っていて楽しかったです♪
主人公・藤枝ネリ
編入当初は、ミツバチ階級の2年生。
突然、セレブが通う櫂宮学園に転入することになり、その環境の違いに戸惑うことが多いものの、何事にもポジティブな姿勢で頑張ろうとします。
ネリちゃんは、とても素直な反面、自分が身を置く環境に染まりやすいところがあるように思いました。
ミツバチ階級や石ころ階級にいる時は、本来の優しくて明るい正直者のネリちゃんでいられるようですが、薔薇階級に移ると性格が豹変してしまったり…。
ネリちゃんが道を誤ってしまいそうになっても、諌めてくれるような存在がいないんです。
人として間違った方向に全力疾走するネリちゃんを見ていて辛くなったことも。
ネリちゃんが悪女のようになってしまったルートもあり、ルートによってここまで性格が変わってしまう主人公も珍しいなと思いました。
キャラ別感想
五十嵐ハル CV:石川界人さん
石ころ階級の1年生で、いじめの標的にされることが多いハルくん。
ハルくんは、絵を描くのが趣味。
弱そうに見えるけど、自分のやりたいこと、自分の世界をちゃんと持っていて、だから、階級にこだわりを持っていないように感じました。
ハルくんが年下ということもあり、ネリちゃんが世話を焼いて、距離を詰めていく感じだったかなと思います。
ハルくんは可愛い外見に反して毒舌なのですが、言葉や態度がつっけんどんでも、優しさが透けて見える子でした。
ツンデレなハルくんの可愛いシーンがいくつもあって、悶えました♡
こ、小悪魔か!?
ハルくんは普段は素直じゃないことが多いんですが、ふとした時にドキッとさせるようなストレートな言動をするんですよね。
そういう時の2人のやりとりが絶妙で好きでした♪
ハルくんが絵描きさんということで、芸術に関する事柄が各所に散りばめられていて、最後はそれに関係してロマンチックにまとまっていてグッときましたし、よくできたストーリーだなと感じました。
ハルくんはですね、薔薇バッドが見ていられないくらい本当に辛かったです!
この作品の中でも1、2を争うくらい神経をすり減らすバッドエンドだったと思います。
私はハルくんから攻略したので、このバドエンに早々に出会ってしまい、全体感想に書かせていただいたように、これ以降はバドエンから回収することを心に決めました…!
七瀬十矢 CV:前野智昭さん
石ころ階級の2年生で、学園の階級制度に反対するレジスタンスのリーダー。
人を惹きつけるカリスマ性がありつつ、ネリちゃんに気さくに話しかけてくれる男の子です。
十矢くんは、自分の信念をしっかり持っていて、ネリちゃんがどの階級でも、態度を変えないところが本当に素敵!
正義感が強くて優しくて、「恋愛以前に人として魅力的だなぁ」と最初のうちから好感度が高かったです。
この作品の中で正統派のスパダリっぽいイメージなのはレイ様かと思うのですが、個人的には十矢くんは一味違った感じのワイルドなスパダリという印象でした。
こんな十矢くんなので、恋愛する上でそれほど障害はないかと思いきや、レジスタンスのリーダーである十矢くんは目立つ存在であるため、そばにいるネリちゃんがトラブルに巻き込まれたりもします。
2人の関係性が微妙になる時期もあるものの、ネリちゃんは十矢くんに真っすぐに想いを伝えて、そんなネリちゃんを男らしく受け止めて、本当に爽やかなカップルでした!
意外だったのですが、恋愛面では十矢くんが一番大人っぽい甘さを漂わせていたような気がします。
ストレートに愛情表現してくれる時もあり、ルートによっては危険な色っぽさを醸し出している時もあり、色んな顔の十矢くんが見られました。
十矢くんが男気溢れていて学園の階級制度に真っ向から反対するスタンスだったので、気持ち的になんとなく受け入れやすいというか、すっきりした気持ちでプレイできたルートでした♪
鷹嶺陸 CV:浪川大輔さん
薔薇階級の3年生で、特に秀でた存在のため『赤薔薇様』と呼ばれています。
自身が鷹嶺財閥の御曹司であることをしばしば口にし、ネリちゃんを貧乏人扱いする俺様キャラ。
他の攻略キャラのルートでも、一番つっかかってくる問題児キャラだったので、そんな陸がどう変化していくのかが楽しみでした。
陸は発言がいつも偉そうだし素直ではないものの、感情を隠せないので分かりやすいです。
それに、言葉はキツいものの、意外といい奴だということが分かってきます。
陸は階級制度を何の疑問もなく受け入れていますし、薔薇階級のトップの存在として自分の地位に誇りを持っています。
その陸が、薔薇階級ではないネリちゃんと仲良くなることで色々と問題や事件が発生するのですが、2人でそれを乗り越えていくのが見ていて楽しかったです。
陸がこれまで信じて疑わなかったものを切り捨てて、考えを変えることを宣言するシーンは潔くてカッコ良かった!
階級制度の権化みたいな陸だからこそ、ネリちゃんといることを選んでくれた時には感動が大きかったです♡
俺様なのはずっと変わらないのですが、照れ屋で可愛い表情が見られるようになっていくのが良かったですし、真相が判明した後の生き方も、地に足のついた感じでとても好感が持てました。
そして、こちらのバドエンもなかなかでした…。
2人はバカップルかというほどラブラブで幸せそうですが、周りが全然見えてなくて、こっちとしては精神がゴリゴリ削られるようで先を見るのが怖かったです。
こんなに少しずつジワジワとバッドを感じる展開に今まで出会ったことがあっただろうか…。
2人が幸せそうだからこそ、周囲との温度差を感じてゾワゾワしました。
加地壱波 CV:柿原徹也さん
ミツバチ階級の2年生。
女の子が大好きなプレイボーイで、チャラ男っぽいイメージですが、演劇への熱い情熱を持っており、演劇部で毎日稽古に励んでいます。
壱波くんは、階級制度を抵抗感なく受け入れていて、薔薇階級への昇格を目指している男の子です。
なので、ネリちゃんの階級によっては、ネリちゃんに対してひどい態度をとったりします。
その後、ネリちゃんを傷つけたことによる罪悪感は感じているような様子が見られるので、根は悪い子ではないと思いますが。
壱波くんとしては学園のルールに従ってるだけなんでしょうけど、周りの目を気にして態度を変える日和見主義的なところがちょっと…と思ってしまう面もありました。
でも、これまで自分の保身を第一にしていた壱波くんが変わっていく様子を見て、段々温かく見守れるようになりました。
このルートでのネリちゃんは、包容力と忍耐力がすごい!
壱波くんは多くの女の子に手を出して傷つけてきた過去があり、ネリちゃんと仲良くなり始めても、他の女の子への態度をなかなか変えなかったりします。
壱波くんの真意が分かりづらい時期があるので、そういった意味でドキドキさせられたルートでした。
鷺ノ宮レイ CV:木村良平さん
薔薇階級で、その中でも特に優れた存在として、『白薔薇様』と呼ばれ尊敬されています。
沸点の低い、暴走しがちな赤薔薇様(陸)のなだめ役であり、良き理解者でもあります。
レイは、薔薇階級でありながら、階級問わず誰にでも優しく接する王子様のようなキャラです。
レイの話し方は穏やかで優しくて、どことなく甘くて。
木村良平さんのこういう話し方をするキャラ、ほんと大好きなんです♡
特に、「どうしたの?」というセリフが好きで、ほわ~となってしまいました。
そんなレイですが、他のキャラを攻略している時に、「レイ様、何かあるぞ」と思わせるシーンが複数あったので、油断しないようにプレイしていました。
でも、その「何か」が判明した後でも、レイに抱く印象はそれほど変わらなかったように思います。
むしろ、三角関係っぽい雰囲気があったり、切なさを感じるシーンも出てきて、より楽しめました!
レイルートでは、これまでの他のキャラのルートでは謎として残されていたものが明らかになっていくので、その点でも面白かったです。
レイは最初のうちはいつも笑顔で余裕がある様子なのですが、ストーリーを進めていくと、余裕なく嫉妬してくれるシーンも見られて、そこもすごく好みでした♡
お声も好きですが、純粋にキャラとしてもレイが推しとなりました♡
攻略制限のあるようなメイン攻略キャラが推しになるのは、私にしては珍しい。
私がこの絶対階級学園をプレイしたのはだいぶ前でPC版をプレイしましたが、現在ではSwitch版、PS4版、PSVita版が販売されています。
本日は、絶対階級学園の感想にお付き合いくださいまして、ありがとうございました!
お気軽にコメントください!