『ミストニアの翅望(きぼう)』ネタバレなし感想・レビュー

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本日は、乙女ゲーム『ミストニアの翅望 -The Lost Delight-』のネタバレ無しの感想・レビューを書かせていただきます。

ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。

目次(クリックできます)

ミストニアのおすすめポイント

  • 復讐がテーマのファンタジー
  • バッドエンドが似合う作品
  • 三角関係ルートがある!

あらすじ

妖精女王により繁栄を極める王國【グランド・アルビオン】。
光と影が混在する19世末よもすえ 、その首都郊外に建つ名門貴族の邸に、
ひとりの新人メイドがやってくる――。

ある日突然、家族も親しい人々も住んでいた村も奪われたアプローズは、
自分から全てを奪った相手に必ず復讐することを誓う。

そして8年後――
素性を隠し、復讐候補者の邸で働きながら真相を探し始める。

「本日より誠心誠意お仕え致します」

國を守る麗しの貴公子たちとの邂逅がもたらすものとは。
そして彼女が選ぶ道とは――。

――数奇な運命に囚われた少女の復讐劇、ここに開幕。

(引用:公式サイト

全体感想

復讐がテーマのファンタジー

一族を皆殺しにされた主人公のアプローズちゃんが、復讐のために事件の真相を調べていくという物語。

彼女は偽名を使い、ある屋敷にメイドとして潜入するのですが、いつ彼女の正体と目的が攻略キャラたちにバレるのかドキドキしながら見守りました!

復讐がテーマではあるものの、全体的な雰囲気は暗いと感じることなく楽しめました。

お話の舞台は、妖精女王が治める國【グランド・アルビオン】。
この國では、妖精の血を引く半妖精(ユニーク)の貴族で構成される【五家】が、純妖精(ピュア)である女王に付き従い、國を護っています。

この國で起きている4つの事件があるのですが、その事件を軸に、攻略キャラたちのストーリーが展開していくのが面白かったです。

登場人物たちは妖精の血を引いていたりして不思議な力が使えるので、ファンタジーの世界観に浸ることができました!

納得できたルートと、そうでないルートがあった

アプローズちゃんは、悲惨な過去を持っていて、復讐のためだけに生きてきたような子です。
なので、そう簡単に復讐心を捨てることはできないと思うんですよね。

ストーリーの中で、「これなら、復讐を諦めて、明るい未来を目指せるだろうなぁ」と思えるルートもありました。

反対に、唐突に復讐を諦めたように感じたルートもあって。
「え…そんなに簡単に復讐を諦められるの?」と、ちょっと疑問に思ってしまうこともありました。

妖精女王の事情をもう少し知りたい

ストーリーを進めていくと、アプローズちゃんの一族が悲惨な目に遭った事件の裏に、妖精女王の存在がちらついてきます。

この女王は、複数の攻略キャラのルートで行動を見ている限り、一貫性がないというか、何を考えているのか分かりづらかったです。

作中で女王側の事情もちょこちょこ出てくるのですが、断片的な情報がほとんどだったので、しっかりと理解できなかった気がします。
(私だけでしょうか?)

妖精の性質上、このような掴みどころのない描かれ方をしているのかもしれませんが、女王に対して、最終的にどういう感情を持ったら良いのか分からないままだったなぁ。

妖精女王側の事情がもう少し詳細に描かれていたら、スッキリしたかもしれません。

バッドエンドがしっくりくる

バッドエンドでは、アプローズちゃんの悪女っぽい姿が見られたりするのですが、過去の出来事を踏まえると、しっくりきてしまうんです。

悲惨なものや後味が悪いものも多く、見ていてちょっとしんどかったりもしましたが、バッドエンドが似合う作品だと感じました。

作品全体を通して感じたことですが、アプローズちゃんは、色々と溜め込むタイプの子のように感じました。
バッドエンドでは、そういう彼女の性格がよく表れている場面も見られて。

相手を直接責め立てたりせず、冷静に考えをめぐらせて、相手に最もダメージを与える残酷な方法をとる子でした。

そういうアプローズちゃんの怖さが見られたのも、バッドエンドの魅力だと思いました。

アプローズちゃんが暗い思考に囚われ始めると、ヤバい目をするようになるので、分かりやすかったです(笑)

三角関係ルート(迷い路エンド)がある!

実は、この作品を手にしたきっかけは、フォロワーさんに「三角関係が見られる」とお聞きしたからでした(笑)

すべての攻略キャラのルートで、三角関係要素があります!

三角関係は、様々な攻略キャラの組み合わせで描かれていました。

私は特に、エドワードとライナスがアプローズちゃんを巡って火花を散らすシーンが好きでした♡

欲を言えば、ハッピーな方向の三角関係をもっと見たかったかも。
一般的に、三角関係はバッドな方向になりがちなのでしょうか…。



ミストニアの糖度は?

復讐がテーマということもあり、その世界観を壊さない程度の、控えめな糖度だったように思います。

いちゃいちゃシーンはありますが、私としては甘々とまでは言えないかなぁ、といった感じです。

ただ、三角関係ルートでは、取り合いのような展開も見られたりしますし、そういう展開がツボという方にとっては、萌えられるのではないかと思います!

色っぽい雰囲気のシーンは、バッドエンドに向かうシナリオの方に組み込まれていた印象です。
色っぽいと言っても、そういう関係になったことを匂わせる程度で、あくまでもサラッと触れられていた感じでした。

主人公・アプローズ=E=ランドルフ(偽名:ローズ=コティングリー)

元ランドルフ公爵家の長女。
家族も周囲の人間も皆殺しにされたことで、すべてを奪った者たちへ復讐を誓う(引用:公式サイト)。

アプローズちゃんは、自分の一族が皆殺しにされた事件について情報収集するために、バーンスタイン家にメイドとして潜入します。

彼女は、これまで復讐のために生きてきたため、特に序盤は無表情で、全然笑ったりしません。

メイドとしての仕事はテキパキこなし、その働きぶりが評価され、周囲から信頼されるようになっていきます。
でも、本人としては、「その相手を利用できるか、できないか」を考えながら人間関係を築いているという面がありました。

他人に心を開けない、そして、絶望と憎しみを抱えたアプローズちゃん。
彼女が攻略キャラやメイド仲間たちと接していくうちに、温かい気持ちをもらって、復讐以外のことにも目を向けられるようになっていきます。

次第に、アプローズちゃんの表情が変わっていく様子も、この作品の見どころだと思いました。

ちなみに、上でも書きましたが、バッドエンドでの攻略キャラへのアプローズちゃんの仕打ちは結構ひどかった…。

キャラ別感想

アルフレッド=クレスウェル  CV:梅原 裕一郎さん

スプリガンを祖にもつクレスウェル伯爵家の現当主。
生真面目な堅物。常に一手先を考え、理詰めで話す典型的な参謀タイプ(引用:公式サイト)。

この王國には、五家と呼ばれる名門貴族が存在し、彼らが妖精女王を支えています。
五家は攻略キャラたちの家のことなのですが、アルフレッドは彼らのとりまとめ役のような存在です。

物静かでちょっと不愛想なアルフレッドは、第一印象からそれほど大きく印象が変わらなかったように思います。
ストーリーを進めていくと、予想外の彼の思想が明らかになってきます。

アプローズちゃんは、彼を復讐の相手ととらえ、恋する気持ちを自覚しても、それを否定して隠そうとします。
でも、我慢の限界が来て、アルフレッドへの態度がいきなり変わるので、見ていてちょっと驚きました。

恋が急展開するので、こちらとしては気持ちが追い付けなかった部分もありますが…。
恋はそういうものなのかもしれません。

ルーカス=サリヴァン  CV:鈴木 崚汰さん

ウィル・オ・ウィスプを祖にもつサリヴァン伯爵家の当主(予定)。
一度懐に入れた者には優しい面も見せるが、素直に口に出せず喧嘩腰になってしまう(引用:公式サイト)。

周囲からは、人嫌いで変わり者だと思われているルーカス。
態度はそっけないけれど、優しくて不器用な人でした。

このルートでは、ルーカスの心情の描写が丁寧なので、すごく感情移入できました!

ルーカスは、過去のある出来事について、ずっと苦しんできたのですが、彼の気持ちがひしひしと伝わってきて、こちらまで苦しい気持ちになります。

ネタバレ防止のために詳細については触れませんが、アプローズちゃんには、「ルーカスは許してあげて欲しいな」と思いながらプレイしていました。
ちなみに、アプローズちゃんのバッドエンドでの仕打ちはちょっとひどすぎると思いました…。

プレイしていると涙が出てきて、切なくて苦しいのに、温かい気持ちにもなる。
シナリオがとても素敵でした♪


ルーカスは、当初ビジュアル的には全く気になっていなかったのに、いつの間にか惹かれていました。
不思議な魅力のある人で、どきどき、そわそわさせられました♡

ライナス=ウォード  CV:梅田 修一朗さん

クー・シーを祖にもつウォード子爵家の次期当主。
明るく人懐っこいムードメーカー(引用:公式サイト)。

ライナスは、特に妖精女王への忠誠心が強いため、女王に近づこうとするアプローズちゃんにとっては、かなりやっかいな相手です。

いつもは可愛くて子犬みたいな印象なのに、女王のことが絡むと、豹変して冷徹な一面を見せるキャラでした。

ライナスとアプローズちゃんには因縁があり、それを軸にストーリーが展開していきます。

ライナスの場合、女王への忠誠心ゆえか、色々と板挟みになって、あまりストレートに恋が進展していかないんですよね。
見ていてもどかしい気持ちなった時もありましたが、最後の最後に…!って感じでした。

このルートで一番好きだったのは、アプローズちゃんを巡って、ライナスとエドワードが火花を散らすシーン♡

ストーリーの本筋ではありませんが、こういう展開が好みなので、このシーンが見られて良かった♡

ただ、迷い路エンド(三角関係ルート)は、途中まではすごく萌えていたのですが、最後はちょっとブルーな気分になってしまいました…。



アスコット=リンデル  CV:福山 潤さん

プーカを祖にもつリンデル男爵家の当主代理を務める。
社交界で浮き名を流しまくる伊達男で、女性からは羨望を、男性からは憎悪を向けられがち(引用:公式サイト)。

女性と見れば見境なく口説く、信用ならないイメージが強いアスコット。
ある事情により、アプローズちゃんが彼の偽の恋人になるところからストーリーが展開していきます。

序盤では、アプローズちゃんは、アスコットの異様な言動に戸惑っていましたし、理解しづらい存在だったように感じました。

アスコットの場合、ある時突然、恋に落ちた感じ。
急に態度が変わるので、見守っているこちらとしては、ちょっとびっくりでした。

癖の強い彼は、告白も普通とは一味違いました。

正直な気持ちを伝えているので、誠実だとも思うのですが、この告白では、私はときめかないかも⋯。

ありのままの彼を受け入れられるアプローズちゃん、器が大きくて素敵♪

エドワード=バーンスタイン  CV:田丸 篤志さん

シルフを祖にもつバーンスタイン侯爵家の次期当主候補。
誠実で公明正大、穏やかな性格。
貴族としての誇りと覚悟を持ち、持てる者はその力で持たざる者を助けるべきだと考えている(引用:公式サイト)。

キャラ的にもシナリオ的にも、総合的に一番好きだったのが、このエドワードです♡

真っ直ぐな性格で、存在自体に透明感があるように感じられて、癒される王子様キャラでした♡

最初は、復讐目的でエドワードに近付いたアプローズちゃん。
共に過ごすうちに、信念を持つエドワードが輝いて見えて…自分と比較してしまいます。

エドワードの人間性に触れ、アプローズちゃんは本心を隠すのが難しくなっていきます。
アプローズちゃんの心と表情の変化について、丁寧に描かれているところが良かった!

アプローズちゃんの正体や目的を知った後も、エドワードの接し方がすごく丁寧なんです。

アプローズちゃんはかなり頑なでしたが、そんな彼女の心をエドワードは少しずつ根気強く開いていった感じ。
これだけ真摯に向き合ってくれたら、アプローズちゃんの気持ちも治まると思うんです。

他のキャラのルートでは、アプローズちゃんが唐突に復讐を諦めたように思えるものもありましたが、エドワードの場合は、すごく納得感がありました!

キラキラした恋愛が描かれていて魅力的なストーリーでした!
エドワードの人間性が素晴らしすぎて、胸がいっぱいになりました♡

ハッピーエンドはすごく素敵なストーリーでしたが、バッドエンドの方は後味が悪くて…。
「エドワードみたいにいい人に、ここまでしなくても…」と思ってしまいました。

ジョン  CV:白井 悠介さん

勤勉で何事もそつなくこなすアプローズの従者、兼幼馴染。
常に一歩引いて周りを観察し、復讐の手助けをする(引用:公式サイト)。

アプローズちゃんが幼い頃から、ずっと彼女をそばで守り、支えてきたジョン。
アプローズちゃんはジョンに絶対的信頼を寄せてきましたが、それを揺るがす事実が明らかになります。

大きなショックを受けるアプローズちゃん。
そこから、彼女がどう自分と向き合って、気持ちの整理をつけていくのかが描かれていました。

ジョンは立場的に特殊で、彼のせいじゃないのに責められてしまう感じで…。

アプローズちゃんの複雑な気持ちも理解はできるものの、ジョンがちょっと可哀想な感じもしました。

恋愛に関しては、これまで近くにいすぎて、アプローズちゃんはジョンのことを異性として意識してきませんでした。
ジョンの方も同様で、お互いに異性としては見てこなかった2人が、ゆっくりと恋心を育んでいくストーリーとなっていました。

ジョンが相手だからということもあるのかもしれませんが、アプローズちゃんがわりとあっさりと過去よりも未来を選んでいた印象を受けて…少し面食らいました。

Switch版でプレイ可能

『ミストニアの翅望 -The Lost Delight-』は、Switch版が販売されています。

本日は、ミストニアの感想にお付き合いくださいまして、ありがとうございました!

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