本日は、【幻奏喫茶アンシャンテ】の感想・レビューを書かせていただきます。
ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。
あらすじ
祖父が営んでいた、一軒の喫茶店。
そんな彼の突然の訃報、そして遺言により
主人公はその喫茶店へ関わることに。どこか不思議な雰囲気のその場所で、
彼女は不思議な男たちとの出会いを果たす。「どちらさまも何も――異世界からのお客さまだけど?」
朗らかに笑う彼は、自称【魔王】。
その出会いは偶然か、必然か。
人ならざるものたちとの出会いの先に待つ、物語とは――。
引用:公式サイト
おすすめポイント
全体感想
パッケージのイラストのイメージから、喫茶店を舞台にしたほんわかしたお話かと勝手に思っていたのですが、ちょっと違いました。
いや、ほんわかした時間が流れることもあるんですが…。
すべてのルートで涙腺が緩むという、私史上初の出来事が発生した作品です。
それと、攻略キャラが斬新!
攻略キャラに首なし騎士がいたり、攻略キャラの存在そのものが大きく変わったりと、ただのイケメン揃いなわけではありませんでした。
個人的には、「誰かを好きになる時には内面を好きになるんだよね! 外見とか生きる世界とか関係ない!」と強く感じた作品でした。
攻略キャラたちがそれぞれ辛い事情を抱えていて、主人公の琴音ちゃんは各ルートで大事件に巻き込まれます。良い意味でドキドキ、ハラハラしっぱなしで、心穏やかにプレイできるルートがありませんでした。
でも、実力者揃いの常連さんたちが強い信頼関係で結ばれていることもあって、結果的には温かいストーリー展開となっていることが多かったかなと思います。
サブキャラたちも、たまに暴走をする子もいましたが、根はいい子が多かったです。
サブキャラたちの過去や行動原理も作中でしっかり描かれており、すごく心が揺さぶられました。
特に、私はサブキャラの御門彰さんがすごく好きでした♡
ラストの方でもう少し甘さがほしいと思ったのですが、優しくて美しい雰囲気の作品となっていたので、これはこれで良いと思います。
主人公・淡木琴音
逝去した祖父から喫茶【アンシャンテ】の経営を引き継いだ19歳の新人マスター。
祖父の代から【アンシャンテ】に通ってくれている常連さんたちは、【人外】と呼ばれる異世界の存在なのですが、そんな状況もわりとすんなりと受け入れる順応性の高い女の子です。
【アンシャンテ】のマスターとして、お客さんをとても大切にしているので、お客さんたちにとっても、琴音ちゃんのいるアンシャンテは大切な場所になっています。
常連さんたちが戦闘力の高い男性ばかりなのに対して、琴音ちゃんはお姫様のような存在だったと思います。
でも、そのわりには肉体的に痛め付けられることが多くて可哀想でした…。
キャラ別感想
イル・ファド・デ・リエ CV:石川界人さん
【天界・カエルム】出身の、乙女ゲームが大好きな堕天使。
イルは本当に美しい!!
特に笑顔が素敵で、見ているだけで癒されて、まさに天使という感じでした(実際は堕天使ですけれども)
イルは共通ルートでは天然キャラっぽく思えるのですが、自ルートに入ると、世間知らずすぎて違和感を感じる場面が出てきます。
イルの過去とともに、その理由が明らかになっていくのですが、その過程でウルっときてしまいました。
放っておけない性格ということもあり、今まで常連のみんなに甘やかされるままに過ごしてきたイルですが、自分も琴音ちゃんの役に立ちたいと思うようになり奮闘します。
最初は子犬のような可愛らしさや健気さが際立っていたのですが、ラストに近づくにつれて、優しさや強さもプラスされ、イルの魅力がアップしていきます♪
全体的にとても美しいストーリーで、感動の涙が止まりませんでした。
個人的にはイルのハピエンが一番好きでした♡
カヌス・エスパーダ CV:梅原裕一郎さん
【妖精界・メディオ】出身の、首無し騎士(デュラハン)。
カヌスは乙女ゲームの攻略キャラとしては斬新なキャラです。
頭がないキャラの立ち絵、最初はすごく違和感があったんですが、わりとすぐ慣れました。
落ち着いていて真面目で優しくて紳士的なイメージのカヌス。
ですが、妖精界での立場はそんなイメージとは結び付かない辛いもので。
現状を変えるつもりがなかったカヌスは、琴音ちゃんとの仲もギクシャクしてしまいます。
でも、色々と吹っ切れてからは、琴音ちゃんにまっすぐに向き合ってくれて、気持ちもしっかり言葉にしてくれて素敵でした♡
カヌスのストーリーは自分の中で「きっとこんな感じだろう」と想像していた形があったのですが、見事裏切られ、最後まで斬新なイメージのままでした!
カヌスは、他のルートでも、周りを見渡して必要な人に必要なアドバイスができる、お父さん的な存在で、頼り甲斐がありました。
凛堂 香 CV:諏訪部順一さん
政府の超常事象対策機関(GPM)に所属する、壮年の男性(人間)。
人外が集う喫茶アンシャンテを監視する任務についていますが、本人も常連の1人としてアンシャンテを憩いの場としています。
凛堂さんは普通に話しているだけで、常にセクシーさを漂わせていた印象です。
いつも大人の余裕を感じさせる優しい凛堂さんですが、自ルートでは琴音ちゃんに対して自分に踏み込ませないようにしている面があります。
自分のことを後回しにして人生を楽しもうとしていない凛堂さんに思うところがあった琴音ちゃんは、凛堂さんに思い切って踏み込んでいきます。
そんな琴音ちゃんに凛堂さんも惹かれていくのですが、ある時、大きな事件が起こります。
琴音ちゃんも凛堂さんも、前向きで順応性が高いからこそ、幸せになれたのかなと思いました。
実は小声で告白しますと、私、おじさまキャラにはあまり萌えられない傾向がありまして…。
このルートはちょっと心配だったのですが、このルートで登場するサブキャラをすごく好きになったので楽しめました♪
そのキャラとは御門彰さん!
詳しくは書きませんが、ある人への深くて一途な愛情に心打たれて、でも状況的には悲しくて苦しくて…泣きました。
イグニス・カリブンクルス CV:小野友樹さん
【獣界・ベスティア】出身の魔獣。ベスティア最強と名を轟かせる、炎を操る人狼の青年。
イグニスはファッションセンスがお茶目。
最初こそ無愛想でしたが、実は優しくて細やかな気配りができる性格でした。
イグニスは不器用ではあるものの、琴音ちゃんと初々しくて穏やかな関係を築いている様子が微笑ましかったです♪
イグニスルートは最も壮絶だったというか、凄惨だったというか…。
琴音ちゃんとイグニスの距離が近づいて、いい感じになってきた時に、大きく距離が開いてしまう出来事が起こります。
お互いに近づきたいのに近づけない…この困難を乗り越えるの、琴音ちゃんは大変だっただろうな…。
でも、その分、ハピエンではご褒美のような甘いシーンが見られて、嬉しさもひとしおでした。
ミシェル・アレックス CV:赤羽根健治さん
【魔界・アスモディア】を支配する最強の魔王。
大抵のことは魔法で解決してしまう、自他ともに認めるなんでもありのチート級の実力者。
ミシェルは、もともと琴音ちゃんに対して何か思い入れがあるのか、常に琴音ちゃんを大切にしてくれるので、序盤から好感度が高かったです。
琴音ちゃんに強い執着心を抱いてはいるものの、それがマイナスの方向には向かっていないんですよね。
かなり重い気持ちを持っているようでしたが、それが決して押しつけがましい感じにはなっていないところが素敵でした。
ミシェルの存在は謎に包まれているのですが、それが明らかになっていく過程が楽しかったです♪
二人が仲を深めていく途中では、これでもか!というほどの困難が次々と立ち塞がります。
ミシェルの想いの強さと、ミシェルの本質を捉えている琴音ちゃん、この二人だからこそ乗り越えていけたのだと思いました。
このルートは、わりとボリュームたっぷりで、作品の世界全体に関わるような壮大なストーリーとなっていました。
穏やかで愛情が詰まったハピエンでしたが、これもまた新しい形だったなぁ。
本日は【幻奏喫茶アンシャンテ】の感想にお付き合いくださいまして、ありがとうございました!
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