『スチームプリズン(スチプリ) -七つの美徳-』ネタバレなし感想・レビュー

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本日は、『スチームプリズン -七つの美徳-(略称:スチプリ)』の感想・レビューを書かせていただきます。

この作品はSwitch版も発売されていますが、Vita版をプレイした感想を書かせていただいております。

ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。

目次(クリックできます)

あらすじ

人は、ふたつに分けられる。
支配する者と、される者。
世界は、ふたつに分けられる。

美しき天上の楽園『上界』、汚れた機械都市『外界』。
絶大な権力を持つ上界の人々は下界を蔑んでいた。
上界で生まれ育った主人公もまた、下界を快くは思っていなかった。
だが、任務の一環として下界の視察を命じられることにより、
彼女の運命の歯車は音を立てて回り出す……。
(引用:公式サイト

おすすめポイント

  • 信念を貫く強い主人公が魅力的
  • 独特の世界観に惹きつけられる
  • 不条理すぎる展開がとにかくしんどい
  • バッドエンドでのフィンの活躍っぷり
  • フィンを幸せにしたい気持ちでいっぱいになる
しんどさを求める方におすすめ

感想

不条理にまみれた世界

この作品は、大きく分けて『上界』と『下界』という2つの世界が舞台となっています。

『上界』は、空に浮かぶように建設された人工島で、政府により人々の暮らしは徹底的に管理され、結婚相手も政府が決定する世界(引用:公式サイト)。

一方、『下界』は、国や政府の概念はなく、各地域の有力者が土地を支配しており、独自の機械文明が発達しています(引用:公式サイト)。
また、『下界』には、上界で罪を犯した人々が送られる保護地区という地区があります。

上界の人々は外界の人々を蔑んでおり、下界の人々は上界の人々のことを憎んでいます。
これらの人々の感情は、上界と下界の成り立ちとも関係しています。

上界に住む貴族であり、警察官として働いている主人公が、昇進のために下界に視察に行くことから物語が始まります。
序盤に主人公が無実の罪で捕まり、ろくに調査もされないまま、罪人として下界の保護地区に送られるというショッキングな展開。

罪人として泥水をすするような境遇に落とされた主人公には、その後どのような人生が待っているのか。
攻略キャラのルートによって、主人公の立場や状況が変わるため、どんなことが起こるのか予想がつかず面白かったです!

「世の中の不条理を糾す恋愛ADV」というだけあって、わりとどのルートでも主人公が不条理な状況に直面します。
人が死ぬシーン、ひどく傷つけられるシーンも多く、残酷に感じることも。

生き抜くだけでも困難な世界で、主人公が自分の信念を貫きつつ恋愛を育むという、ドキドキ、ハラハラするストーリーでした。

精神的にも肉体的にも強く、挫けない主人公

主人公(キルス・ティステラ)

主人公のキルスちゃんは、正義感の強い警察官で、信念を持って職務を全うしています。
罪人として扱われても高潔な精神を失わない、とても意志の強い女の子でした。

キルスちゃんは剣技が得意ということもあり、強者が弱者をいたぶる場面を見かけてしまうと、見過ごすことができず、強者を相手に決闘を申し込んだりしていました。

キルスちゃんの外見はとても女性らしいのですが、男性のような話し方をしますし、内面もサバサバした性格のように感じました。
ここまで格好良い主人公はなかなかいないのでは。

恋愛面に関しては、キルスちゃんは恋愛というもの自体がよく分からず、とても鈍いです。
これは、キルスちゃんが恋愛が禁止されている上界出身であるため。

上界では、人口統制のため、政府が決めた相手と結婚しなければならないという恐ろしい制度があります。
これに背いて、自分の好きな人と一緒になろうとすることは犯罪。
そんな環境で生きてきたキルスちゃんにとって、恋愛など言語道断で、自分が恋愛するなどとは全く思っていません。
こういう背景がある上での恋愛が描かれているところが特徴的な作品でした。

恋愛は微糖。ルートによっては、やや色っぽいシーンも

キルスちゃんがサバサバした子で、男性と恋愛関係になってもデレデレしないからか、全体の印象としてはそこまで甘さは感じなかったように思います。
でも、そこがキルスちゃんらしい感じがして、個人的にはこれで良かったような気がします。

ただ、アダージュとエルトクリードが、わりと色っぽい発言をしていたのが印象的でした。

アダージュは、言葉の選び方が面白くて好きでした♪
アダージュと一緒になるのが、一番堅実に暮らせそうで、そこにも惹かれました。

そして、エルトクリードは普段の話し方からして色っぽい!
冗談めかしつつも、色気のある言動が多かったように思います。

アダージュ
CV:古川慎さん

エルトクリード・ヴァーレンティン
CV:白井悠介さん

キャラによっては、恋愛要素よりも、それ以外のストーリーの方が印象に残ったりすることもありましたが、それぞれのキャラの個性を楽しめた気がします。

ちなみに、このスチプリはCERO:D区分となっているのですが、恋愛表現の方ではなくて、犯罪に関連した表現があるからのようです(参考:公式サイト)。

私はCERO:Dと聞くと、つい恋愛描写の濃厚さを期待してしまうのですが、この作品に関しては違うということをご参考までに書かせていただきます。

個人的には、フィンを幸せにするための物語だった!

フィン・ユークレース  CV:新垣樽助さん

私は最初にエルトクリードから攻略を開始したのですが、ルート中でフィンがあまりにも不憫で…。
その他の攻略キャラのルートでも、フィンは不憫な展開の連続。

もとはと言えば、主人公がきっかけでフィンは苦しい立場になるのですが、それでも主人公に尽くしていて常に味方でいてくれて。
こんなに報われないキャラ、います?!

「フィンを早く幸せにしてあげたい!」という気持ちでゲームを進めていたような気がします。

なので、フィンのハピエンを見られた時には感無量でした。
フィンはキャラ的にも好きなんです♡
キルスちゃんの方が年下なのにもかかわらず、キルスちゃんの信念や生き方を尊敬して、敬語で話します。
「俺のそばにいろ!」というタイプじゃなくて、「あなたのそばに置いてください」というタイプ、ほんと好みです♡

ちなみに、PC版ではフィンが攻略できなかったって本当ですか?!
信じられません…。
ゲームをプレイしていて色々と不条理な世界だと思っていましたが、何よりも不条理なのはフィンの扱いだと思う…。
でも、Vita版ではフィンルートができていて、本当に良かったです!

個人的には、フィンに始まり、フィンに終わったというくらい、彼の印象が強かった作品でした。

ちなみに、フィンは他の攻略キャラのルートのバドエンでも大活躍!
特にエルトクリードルートのバドエンでのフィンがお気に入りです♡

今から購入されるなら、追加要素も楽しめるSwitch版の方が良いかと思いますので、ご参考までに載せておきます。

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本日は、スチプリの感想にお付き合いくださいまして、ありがとうございました!

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