本日は、乙女ゲーム『白と黒のアリス(ろろアリ)』のネタバレ無しの感想・レビューを書かせていただきます。
Switch版には、本編のほかに『-Twilight line-』も含まれていますが、ここでは本編(無印)のみの感想を書かせていただきます。
ネタバレしないよう配慮しておりますが、感想を書くにあたり最低限の情報は載せています。
そのため、すべての方に「ネタバレ無し」と感じていただける内容ではないかもしれません。
その点をご理解いただいた上でお読みいただけますと幸いです。
- 作品のおすすめポイント
- 作品紹介
- 攻略順・攻略制限
- 作品の糖度
- 全体感想・キャラ別感想
『白と黒のアリス』のおすすめポイント
ろろアリの作品紹介
白の物語
鏡を抜けると、そこは不思議の国でした―。
白く霞む、曇り空――白の世界。
平穏な日々を送っていた高校2年生の主人公・「愛日梨(あいり)」は、
ある雨の日の放課後、一人の青年と出会う。傘もささずに佇むその青年は、愛日梨に「迎えに来た」と告げ、
不審に思い逃げ出した彼女を捕まえてしまう。ふと気づくと、愛日梨は見知らぬ風景の中にいた。
先程の青年は「黒うさぎのレイン」と名乗り、こう告げる。「アリス、お前はこれからこの世界の女王になるんだ」、と――。
(引用:公式サイト)
黒の物語
澄み渡る青空――黒の世界。
もうひとりの主人公・「ルナ」が女王として治めるこの国で、
突如クーデターが起きた。状況を重く見た側近・黒うさぎのレインと白うさぎのスノウは、
「女王を白の世界へ避難させ、新たな女王候補を連れてくる」計画を実行する。こうしてルナは白の世界へ連れ出され、
愛日梨は黒の世界へ連れてこられた。交換された二人の少女、そして二つの世界に隠された秘密とは――。
(引用:公式サイト)
おすすめの攻略順・攻略制限
この作品には、2人の主人公がいます。
【白の物語】では愛日梨ちゃん、【黒の物語】ではルナちゃんが主人公となっています。
それぞれ攻略できるキャラが違いますので、以下をご覧ください。
攻略制限はないようです。
どのキャラからでも攻略できますが、主人公がコロコロ変わると混乱しそうなので…
私は、同じ主人公で攻略キャラを3人とも攻略してから、次の主人公に進みました。
私が攻略した順番は、下記で感想を書いている順番になります。
公式さんのおすすめ攻略順については、検索しても見つけられませんでした。
個人的なおすすめとしては、以下のようになりますが、それほど気にしなくても大丈夫かと思います。

キャラクターの相関図を見ると、攻略順を決める際に参考になるかもしれません。
ろろアリ全体感想
『不思議の国のアリス』モチーフの吸血要素ありのファンタジー
ざっくりしたタイトルをつけてしまいましたが、一言で言えば、そのような感じです。
『不思議の国のアリス』をモチーフとしているものの、かなり創作の割合が高く、独創的で面白かった!
2人の主人公は、特別な血を持っており、そのために、【黒の世界】では女王になれる存在。
この血によって、周囲から狙われたり、窮地に陥ったりします。
この作品には、吸血シーンが多少含まれています。
男性キャラに吸血されるだけではなく、逆の立場になることも。
小声で告白すると、私は吸血系のお話にはそれほど惹かれないのですが…。
この作品では、積極的に主人公に痛みを与えるような攻略キャラはおらず、わりとみんな紳士的だったし、そこに至るまでの経緯が丁寧に描かれていたので楽しめました!



吸血シーンは多くはないですし、ストーリーの中でわりと自然に出てくる感じでした。
タイプの全く違う2人の主人公
おとなしい性格の愛日梨ちゃんと、気が強くて女王様気質のルナちゃん。
全くタイプの違う2人の女の子が主人公なので、1つの作品でもガラリと印象が変わって面白いです。



どちらの主人公が好きかは、好みがはっきり分かれそう…。
2人の主人公がそれぞれ違った辛い状況に
愛日梨ちゃんは、穏やかな高校生活を送っていたところを【黒の世界】に連れ去られて、その国の女王にさせられます。
一方のルナちゃんは、【黒の世界】の女王だったのに、【白の世界】に追いやられ、高校生活を送るように強制されます。
『平常時には不要とみなされていたけど、急に必要とされるようになった。』
『必要とされていたのに、不要になった。』
それぞれ違った辛さや苦悩があります。
2人とも、自分の意思に反して、これまでとは全く違った環境に身を置くことになるところから物語が始まります。



主人公の心情描写がしっかりされているため、感情移入しながら楽しめました。
【黒の世界】の階級制度
【黒の世界】には、厳格な階級制度があり、本人の意思や能力に関係なく、生まれ落ちた瞬間から、その階級や立場に縛られています。
そのために、辛い立場に置かれている者や、現状に不満を持つ者がいて、彼らが事件を起こしたり…。
主人公たちが恋愛する上でも、この階級制度が深く関係してきたりして、物語がより面白くなっていたと思います。
主人公たちは、それぞれ2つの世界で過ごすうちに、【黒の世界】の問題点に気づきます。



彼女たちがどのような行動をとるのか、という点も見どころだったと思います。
フルコンプした時に、スッキリした気持ちになれる



ハッピーエンド、バッドエンドともに、はっきりとした結末が描かれているところが好みでした!
作品によっては、「これは、どう解釈したらいいんだろう?」などと、考えさせられる終わり方をするものもありますよね。
そういう余韻が残るような作品も良いと思いますが、私は単純な性格なので、どちらかと言えば、はっきり描いてくれた方が好き。
このろろアリは、本編だけで物語がしっかり完結して、疑問が残らなくて、スッキリした気持ちで終えられるところが良かったです♪
ろろアリの糖度は?
最初は、「吸血シーンで糖度アップを目指した作品なのかな~」とも思いましたが、この作品の魅力は決してそこだけではありませんでした!
好きな気持ちを伝えるシーンや、両思いになった後の様子の描写が、私にはとても刺さりました♡
幸せな気持ちになれたので、個人的には甘さはわりと感じられました。
肌を合わせるという意味での糖度ではなく、恋愛の過程が丁寧に描かれた上で甘い気持ちにさせてくれる。
そういう意味では、うまく表現できないのですが、高糖度とまではいかないけど、『正統派な乙女ゲームの甘さ』が感じられる作品ではないでしょうか。



あまり大人っぽい恋愛描写は求めないけど、甘さを感じたいという方には、合う作品かもしれません。
白の物語
主人公・愛日梨(あいり)


友人たちに囲まれ、楽しい高校生活を送っていましたが、突然、【黒の世界】へ連れていかれてしまいます。
元の女王が追放されたため、新たな女王となるよう強要された愛日梨ちゃん。
知り合いがいない【黒の世界】で、なりたくもない女王という立場を押し付けられて、特に最初の方はとても辛そうでした。
せっかく知り合いができても、「本当にその人を信じていいのか?」みたいな出来事も多くて…。



人を信用しすぎるところがあるので、お母さん(親目線)、心配だよ~!
愛日梨ちゃんは、おしとやかで優しくて癒し系な女の子。
理不尽な目に遭っても、健気に耐え忍んでいた印象でした。
見守っていて、「もう少し、嫌なことはきちんと嫌だと主張した方がいいんじゃないかな」というのは感じました。
愛日梨ちゃんは、周囲の人間の弱い部分や足りない部分を、許したり、受け入れたりできる。
そういう強さと優しさを持った子でした。
レイン CV:梅原裕一郎さん


黒うさぎ。スノウの双子の弟。
愛日梨ちゃんを【黒の世界】に連れてきた張本人。
女王の側近ということで、愛日梨ちゃんのお世話をしてくれたり、女王としての仕事を補佐してくれたり。
無口で態度が冷たいので分かりづらいものの、裏ですごく気を遣ってくれています!
愛日梨ちゃんを大切にしているのは、「女王だから」なのか…?
レインは職務に忠実な仕事人間なので、レイン自身も自分の恋愛感情になかなか気づかない。
そして、愛日梨ちゃんもレインの気持ちがよく分からないし…で、なかなかじれじれなストーリーでした。
レインのこれまでの行いを見ていると、愛日梨ちゃんが彼を好きになったのがちょっと謎。
頼れる人のいない世界で、レインは自分の身が傷つくことも厭わずに守ってくれたりするから、好きになるのも分からなくはないですが…。
でも、そもそも愛日梨ちゃんをこの世界に連れてきたのはレインだよ…って思ってしまって。
私はその気持ちを引きずってしまったなぁ…。
レインは、作品全体を通して、一貫して、一族の使命として国を守ることに必死なんです。



レインは、【黒の物語】の方では、結構怖い存在として描かれているんですよね。
(そう感じたのは私だけでしょうか?)
レインの攻略順をどこにするかで、彼の印象が変わってくるかも?
私は一番最初にレインを攻略したので、その後に怖いバージョンの彼を見ても、
「国と愛日梨ちゃんを大切に思うがゆえに、そんな言動をとるのね…? そうなのね?!」
とレインの心情に思いを馳せて、心を鎮めようとしていました(笑)
ミネット CV:木村良平さん


チェシャ猫。そして、魔法使い。
【黒の世界】に慣れない愛日梨ちゃんのことを楽しませようとしてくれる、明るくて楽しいキャラ。
でも、時々、気まぐれという言葉では済ませられないような、「えっ…?」という言動をとります。
それがなぜなのかは後々わかるのですが、理由がわかるまではすごくモヤモヤしました。
その後、かなりショッキングな出来事が。
愛日梨ちゃんは「怒ってない」と言うのですが…いや、怒った方がいいよ!
ひどいことをされて、個人的には憤慨していたのですが、甘い木村さんボイスを聴いているうちにうやむやに…完全に絆されてしまった。
それに、ミネットのこれまでの生き方を考えると、許そうかなって思えました。



恐るべし、お声とシナリオの力…!
ミネットは可愛い面もあるし、ほんと憎めないキャラなんですよね。
終わりに近づくにつれて、どんどん糖度が上がっていって楽しくて、ひどいことをされた記憶がいつの間にか薄れてしまいました(笑)
ネロ CV:下野 紘さん


三月うさぎ。城に出入りする王家御用達の商人だそうです。
ネロは、いつも明るく接してくれて、【黒の世界】で唯一、愛日梨ちゃんにとってホッとできる相手となっていきます。
ネロの第一印象から、「可愛い系かな、癒やされるかな」とか思っていたのですが…
予想に反して、めっちゃダークでしんどめの展開が待っていました!



「ネロ…君もなのね…」とショックだったけれど、その後に、彼の生い立ちや事情を知ると、仕方なかったのかなぁと。
個人的には、このルートの愛日梨ちゃんが、一番好きです!
ネロの心の闇を少しずつ祓っていったのは、愛日梨ちゃんの言葉でした。
ネロの心に寄り添って、自分の気持ちを丁寧に言葉にして伝えることで、彼を変えていって。
自分では何の力も持たない愛日梨ちゃんですが、ネロを守ろうとする心の強さを見せてくれたルートでした。
恋をすると女の子は強くなるんだな、とも思いました。
ネロはこれまで壮絶な人生を送ってきた分、ハッピーエンドでは穏やかな幸せを手に入れられて、本当に良かった!
このルートでは、愛日梨ちゃんがかなり過酷な状況に置かれるので、ハラハラしている時間が長かったです。
ストーリーが面白くて引き込まれました♪
黒の物語
主人公・ルナ


【黒の世界】の女王でしたが、ある事情から【白の世界】で暮らさなければならなくなります。
女王である自分を誇りに思っていて、【黒の世界】に戻りたいと強く願っています。
ルナちゃんは、最初は高飛車でツンツンしていて、実際に女王だっただけに女王様気質でした。
乙女ゲームの主人公としては珍しいタイプだと思います。
気が強いところもありますが、根は素直で優しい子なんですよね。
口ではツンツンしたことを言うのですが、やっていることは素直で。
男性キャラにとっては、そういうところが可愛いんだろうなと思います!
最初のうちは、ワガママを言う時も結構ありましたが、【白の世界】で過ごすうちに、少しずつ変わっていきます。
周囲の状況を読んで我慢するところはしつつも、しっかり自分の意見を言う子なので、見ていて気持ちよかったです。



私はルナちゃんとの方が相性が良かったので、見守っていて楽しかった♡
愛日梨ちゃんも【黒の世界】の都合で人生が変わってしまいますが、それはルナちゃんも同じ。
むしろ、ルナちゃんの方が、もはや利用価値がないとみなされて、周囲から(特にあるキャラから)の扱いがひどいような気がします。
そんな状況なので、攻略キャラたちがルナちゃん自身を必要としてくれることにグッときました!
個人的には、【黒の物語】の方が、刺さるシーンが多かったように思いました。
ジャック CV:興津和幸さん


【黒の世界】の城の親衛隊の隊長。
ジャックは、女王様至上主義で、ルナちゃんの前に出ると、緊張しすぎて挙動不審になってしまいます。
早く【黒の世界】に戻りたいし、女王でありたいのに、自分の願いが叶わなくて辛い思いをしているルナちゃん。
【白の世界】で過ごすルナちゃんにとって、ジャックだけが「女王様」と呼んで、女王であることを肯定してくれる存在です。
他のキャラたちからは、『用済み』のように扱われているルナちゃんにとって、ジャックの存在は大きな支えになっていたと思います。



このジャックが私の推しです♡
このルートでは、女王と騎士という身分差の恋が描かれているのですが、ジャックは、ルナちゃんへの忠誠心が厚くて、すごく尽くしてくれるんですよね。
女性の方が地位が高い、身分差の恋が大好きなので、すごく萌えました♡
ジャックは、ルナちゃんの言動に大げさなくらい喜んでくれるので、ヒロイン冥利に尽きる。
すぐ赤面したり動揺するので、頼りなく見えることもありますが、重要なシーンではちゃんとカッコいいんです。
そのギャップがいい!
可愛い面がある一方で、がっついてきてオスっぽさを感じさせてくれるシーンもあって。
色んな顔にキュンキュンさせられたキャラです。
ハッピーエンドも、バッドエンドも、どんな時も、一途にルナちゃんを想うジャックの魅力がたっぷりのルートでした♡



バッドエンドは、「これは…好きな方が多いのでは…?!」と思うようなものでした!
カノン CV:花江夏樹さん


街で帽子屋を営んでいるカノン。
ジャックやスノウは、ルナちゃんのことを女王として尊重している部分が見られますが、カノンは一切そういった部分がなく。
むしろ、最初はちょっと敵意があるような印象でした。
カノンとルナちゃんは、他愛のない口げんかをすることが多くて、ケンカップルという感じ。
2人ともツンデレ同士で、お互いに遠慮なく言いたいことを言い合える関係でした。
意地悪で子どもっぽいところもあるカノンでしたが、恋をするうちに大きく変わっていって。
切ないような優しい表情をするようになったカノンが好きでした♡
カノンは、色っぽいお声にドキッとさせられるシーンがあって。
可愛い見た目に反して、オスっぽさも出してくる絶妙なキャラでした!



私は花江さんのこういうお声をあまり聞いたことがなかったので、不意打ちで色っぽいお声が聞けてドキッとしちゃいました!
(※健全なシーンです)
途中、2人にとって大きな決断をしなければいけない場面があったりして、ハラハラするストーリー。
ブラックエンド(ハッピーエンド)では、カノンという特殊な存在ならではの愛し方に、特に感動しました!
ハピエンもバドエンも泣けて…とても楽しかったです♪
スノウ CV:増田俊樹さん


女王の側近の白うさぎ。レインの双子の兄。
スノウは、ルナちゃんが幼い頃からそばにいるので、2人の間に思い出も沢山ありますし、気心が知れた関係です。
このルートのルナちゃんが、一番素直にワガママを言っている感じがありました。
スノウのことを信頼しているからこそ、ワガママを言えるんですよね。
それに対して、ルナちゃんのワガママさえも愛おしいと感じているスノウ。
この2人の関係性が、他には無い感じで良かったです!
スノウは、いつも穏やかな笑顔を浮かべていて何事にも動じないのですが、物語が進むと、隠された感情が表に出てくるシーンが少しずつ多くなっていきます。
「ルナのことを一番理解しているのは自分」という自負というか、独占欲のような気持ちがあったりして。
途中、信頼が揺らぐ出来事はあるものの、私としては終始好感度が高かったスノウでした。



ルナちゃんが溺愛されている感じで、甘くて幸せな気持ちになれたルート♪
スノウのブラックエンド(ハッピーエンド)は、そこに至るまでの経緯がしっかり描かれていたので、こちらとしても納得感があったし、一番丸く収まっていた気がします。
私は、スノウをこの作品の一番最後にプレイしたのですが、最後にして良かったのかもしれません。
『白と黒のアリス』は、Vita版とSwitch版が発売中
『白と黒のアリス』は、Vita版とSwitch版が販売されています。
Switch版には、本編と『白と黒のアリス-Twilight line-』のVita版の2本の作品が含まれています。
本日は、白と黒のアリスの感想にお付き合いくださいまして、ありがとうございました!
お気軽にコメントください!